翌日、荷を積み終えたライディスト一行はそれぞれの家族に見送られて出発しました。
しかし、今日のライディストの風景はいつもとは少々違います。
ロイの隣で馬を進めているのは黒髪の艶やか女性ではなく、副隊長のロデアルドなのですから。
ロデアルドがロイの横に来るのはかれこれ一年ぶりでした。
ライシャが隊にまじるようになってからというもの、ロイはずっと自分の隣にいるのはライシャということになっていたのです。
「隊長、今回はライシャさんは―」
「黙れ!」
ロイは一喝して隊員の問いかけを遮りました。
ロイ自身、わけのわからない苛だちに苛まれているのです。
今朝の見送りの女性や子供のなかにはライシャの姿はありませんでした。いえ、ライシャは今朝の朝食の際にも、確かに食事は用意してはくれたものの、ロイとはひと言も口を利いてくれなかったのです。
昨夜の決定はライシャにとってはそれほどまでに衝撃が強いことだったのでしょう。
それでも、今回の旅ばかりはライシャを連れていくわけにはいかないのです―
隊は神経質な不穏さを孕んだままで道を進めていきます。
「せめて理由を説明するべきじゃなかったんですか?」
ロイの様子が少々落着いてきたのを見計らって、ロデアルドが切り出しました。
「おまえもそう思うのか?」
「悪いことをするわけでもないんでしょう?だったら…」
「とは言ってもなぁ…」
ロイはまた溜息をつきました。
今朝、やはり連れていけないことをライシャに言った時、彼女はどんな表情でロイを見つめたでしょうか。
一言も口をきかずにともに朝食の席についたとき、ロイを見送りに来ないと決めたとき、ライシャはどう感じていたのでしょうか…?
改めてロデアルドに言われてみると、昨日からのライシャの様子がまざまざと思い出されます。
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